JALをはじめ、ワンワールド便をよく利用する人なら一度は耳にしたことのあるJALグローバルクラブ(JGC)カード。
ものすごく簡単に言うと、「JALの上級会員資格を維持できるクレジットカード」です。
取得するためにはそれなりのお金と労力が必要ですが、これがあると飛行機に乗る時の快適さが格段に上がります。
我が家は妻に2018年にJGC修行してもらい、家族カードを発行してもらいました。お金と時間がかかりますが、発行して良かったと感じる機会は非常に多いです。メリットや取得方法について紹介したいと思います。
JALの上級会員(サービスステイタス)について
JALの場合、有償で航空券を購入し搭乗することで2種類のポイントが貯まります。
一つはマイル、もう一つがFLY ONポイント(FOP)です。
- マイルは貯めることで特典航空券や特定の商品に交換することができる。期限は3年
- FLY ONポイント(FOP)は上級会員の資格を取得するための点数。期限は1年
飛行機にたくさん乗ってFOPをたくさん貯めることで、上級会員のサービスを受けられるようになるんです。
JALの場合、上級会員資格(サービスステイタス)は4種類あります。
厳密にはもう少し細分化されるんですが、一般的にはこの4つだけ覚えておけば十分です。
ステイタス種別 | ①必要FOP | ②必要搭乗回数 | 備考 |
JMBダイヤモンド | 100,000 | 120回以上かつ35,000FOP | ワンワールドエメラルド |
JGCプレミア | 80,000 | 80回以上かつ25,000FOP | ワンワールドエメラルド |
JMBサファイア | 50,000 | 50回以上かつ15,000FOP | ワンワールドサファイア |
JMBクリスタル | 30,000 | 30回以上かつ10,000FOP | ワンワールドルビー |
①または②のいずれかを満たすことでステイタス獲得となります。
FOPはJAL以外のワンワールド便に乗ることでも貯まりますが、ステイタス獲得のためには①の半分、または②の搭乗数の半分はJAL便を利用する必要があります。
それぞれのステイタス毎の詳しい説明は公式サイトにお任せするとして、主なメリットはこんな感じです。
サービス・特典名 | JMBダイヤモンド | JGCプレミア | JMBサファイア | JMBクリスタル |
優先キャンセル待ち | ◎ | ◎ | ○ | ○ |
前方座席指定 | ◎ | ◎ | ○ | ○ |
国内線先行予約、国内線特典航空券先行予約 | ◎ | ◎ | ||
専用カウンターでのチェックイン | ◎ | ◎ | ○ | △ |
優先空席待ち | ◎ | ◎ | ||
受託手荷物無料許容量の優待 | 国内線:20kg、国際線:1個 | 国内線:20kg、国際線:1個 | 国内線:20kg、国際線:1個 | 国内線:10kg、国際線:1個 |
ダイヤモンド・JGCプレミア専用保安検査場 | ◎ | ◎ | ||
JALグローバルクラブ エントランス | ○ | ○ | ○ | |
優先セキュリティレーン | ◎ | ◎ | ||
ファーストクラスラウンジ、ダイヤモンド・プレミアラウンジの利用 | ◎ | ◎ | ||
ラウンジの利用 | ○ | ○ | ○ | |
国際線の優先搭乗 | ◎ | ◎ | ○ | △ |
国内線の優先搭乗 | ◎ | ◎ | ○ | |
プライオリティバッゲージサービス | ◎ | ◎ | ○ | |
マイル有効期限の廃止 | ◎ | ◎ |
- JMBサファイアステイタス以上で優先搭乗や手荷物受取の優先、ラウンジの利用などのサービスを受けられる
- JGCプレミア・JMBダイヤモンドステイタスでは搭乗や手荷物受取の最優先、上級ラウンジの利用などのサービスを受けられる
- JMBサファイアは「ワンワールドサファイア」、JGCプレミア・JMBダイヤモンドは「ワンワールドエメラルド」なので、JAL以外のワンワールド便を利用する際にも同様のサービスを受けられる
JALの国際線サクララウンジを初めて利用した時の驚きは名物のカレーです。
これがもう正直、下手なレストランのカレーより断然美味いんです。お金を払ってでも食べたいと思うレベルで…また以前のように国際線に気軽に乗れるようになるのを心待ちにしています。
通常、国際線のラウンジはプレミアムエコノミークラス以上の座席クラスを利用しなければ利用できませんが、JALの上級会員だとエコノミークラス利用時でも無料で利用することができます。
また搭乗時は優先搭乗できるので、手荷物の収納場所に困ることがありません。
目的地に到着した際にも預けた荷物が優先的に返却されるのでストレスが少なく、旅先での貴重な時間を快適かつ有効に過ごすことができます。
JALグローバルクラブ(JGC)カードとは?
上述したJMBサファイア、JGCプレミア、JMBダイヤモンドのメリットを受けられるのは基本的には1年間(事前サービスを入れると2年弱)です。
つまり上級会員としてのサービスを受け続けるためには、継続して飛行機に乗り続ける必要があります。
ところが「JALグローバルクラブカード(通称JGCカード)」を発行すると、永久にJMBサファイア並みのサービスを受けることができます。
- JMBサファイアステイタス(=50,000FOPまたは50回以上かつ15,000FOP)以上に到達した人は「JALグローバルクラブ(JGC)カード」を申し込むことができる
- JGCカード取得後は、年会費を支払いさえすれば常にJMBサファイア並みのサービスが受けられる
- 家族カードを発行すれば、家族もJMBサファイア並みのサービスが常に受けられる
- JGCカード取得後に「80,000FOPまたは80回以上かつ25,000FOP」を達成するとJGCプレミアとなり、JMBダイヤモンド並みのサービスが受けられる
JGCの最大のメリットは家族カードも発行できることです。
我が家は妻にJGC家族カードを発行してもらいました。そのため私が単独で飛行機に乗る際にもJAL上級会員としての待遇を受けられています。
FOPの積算期間は1月1日~12月31日までの1年間です。
普段から仕事などでよく飛行機に乗る人は良いのですが、そうでない人はちょっと無理して飛行機に乗りまくることになります。
JGCカードを取得するために、飛行機に乗りまくることを「JGC修行」と言います。
JGC修行を行う際の注意点
JGC修行を行う前に必ず行っておいたほうが良いのが「特定のJALカードの発行」です。
- JGCカードはクレジットカードなので、発行する際に審査がある
- 特定のJALカードを事前に発行しておけば、JMBサファイア到達後に切替申請ができる
- 切替申請の場合は審査がない
せっかく苦労してJMBサファイアに到達し、JGCカードを発行しようとして審査落ちしてしまったら…
今まで注ぎ込んだお金も労力も水の泡です。目も当てられません。
事前にJGCカードへ切替可能なJALカードを発行しておき、JMBサファイア到達後に切り替え申請を行いましょう。
事前に発行すべきJALカード
JALカードにもいくつか種類がありますが、JGCカードに切り替え可能なカードは限られています。
年会費が最も安いのはJAL一般カードですが、こちらは残念ながらJGCカードへ切り替えはできません。
JGCカードへ切替可能なカード一覧がこちらです。
カード名 | 年会費(本人) | 年会費(家族) |
CLUB-Aカード(8種類) | 11,000円(税込) | 3,850円(税込) |
CLUB-Aゴールドカード(7種類) | 17,600円(税込) | 8,800円(税込) |
CLUB-Aゴールドカード(Suica、アメックス) | 20,900円(税込) | 8,800円(税込) |
CLUB-Aゴールドカード(ダイナース) | 30,800円(税込) | 9,900円(税込) |
JALカードプラチナ(3種類) | 34,100円(税込) | 17,050円(税込) |
切り替え後は年会費がちょっと上がることが多いです。JGCカードの年会費がこちらです。
カード名 | 年会費(本人) | 年会費(家族) |
JGC CLUB-Aカード | 11,000円(税込) | 11,000円(税込) |
JGC CLUB-Aゴールドカード | 17,600円(税込) | 17,600円(税込) |
JGC CLUB-Aゴールドカード(Suica、アメックス) | 20,900円(税込) | 20,900円(税込) |
JGC CLUB-Aゴールドカード(ダイナース) | 30,800円(税込) | 24,200円(税込) |
JGC プラチナ | 34,100円(税込) | 27,500円(税込) |
JGCカードはANAのスーパーフライヤーズカード(SFC)のように年会費の割引特典がありません。
なので個人的にはゴールドやプラチナではない、一般のCLUB-Aカードから切り替えるのがコスパの面ではバランスが取れていて良いかと思います。
ただ付帯している保険やサービスなどはカードにより異なりますので、この辺りも見比べながら検討しましょう。
20代の方はJAL CLUB ESTに加入を!
20代の方だけの特典として、クレジットカードの年会費に+α支払うことで、「JAL CLUB EST」に加入することができます。
- JAL CLUB ESTに加入すると年間5回、サクララウンジ(国内線)の利用ができる
- JAL CLUB ESTに加入すると国際線利用時、JALビジネスクラス・チェックインカウンターや自動チェックイン機も利用できる
- JAL CLUB ESTに加入すると継続特典として2,500マイルもらえる
- CLUB-Aカードの場合、年会費は5,500円
- CLUB-Aゴールドカード/プラチナの場合、年会費は2,200円
- JGC加入後はJAL CLUB ESTは自動退会となり、年会費の一部が返金される
JAL CLUB ESTの加入は必須ではありませんが、年会費に見合ったマイルがもらえます。
また5回と回数は限られていますがサクララウンジ(国内線)も利用できるので、早めにラウンジを体験してみたい人には良いかも知れません。
また、CLUB ESTはJGCと重複ができないためJGCに加入した時点で自動退会となりますが、その際に年会費の差額(12ヶ月のうち残り期間分)が返金されます。
特典と獲得マイル、実質の支出額を考えると入会しておいたほうがお得ですので、20代の方は是非検討してみてください。
おすすめの路線など
ANAのSFC修行とは異なり、JGC修行の場合は2つの方法があります。
- 50,000FOP(うち25,000FOPはJALグループ便)を達成するためのFOP修行
- 50回以上搭乗かつ15,000FOP(うち25回はJALグループ便)を達成するための回数修行
費用はいずれも30万~50万円くらいが目安ですが、やり方が大きく異なります。自分のスタイルに合ったやり方を選びましょう。
FOP修行を目指す場合
FOP修行の条件は以下のとおりです。
- 50,000FOP(うち25,000FOPはJALグループ便)を達成
最も効率が良かったのは国際線ビジネスクラスを使う方法ですが、コロナの影響で難しくなってしまったので現在は国内線を利用するしかありません。
考え方としては「できるだけ少ない費用で多くのFOPを稼げる」路線が良いので、おすすめ路線はこんな感じです。
路線 | クラスJ(運賃3・75%FOP) | 普通席(運賃3・75%FOP) |
羽田 ↔ 沖縄 | 1,672 | 1,476 |
羽田 ↔ 石垣 | 2,080 | 1,836 |
伊丹 ↔ 那覇 | 1,256 | 1,108 |
関西 ↔ 石垣 | 1,648 | 1,454 |
中部 ↔ 那覇 | 1,376 | 1,214 |
福岡 ↔ 札幌 | 1,500 | 1,324 |
ものすごく簡単に言うと、できるだけ遠いところを目的地にして料金が安い時期に予約するのがおすすめです。
運賃は比較的コスパの良いウルトラ先得またはスーパー先得を想定して算出しています。
- 1FOP当たりの費用・単価をFOP単価と呼ぶ
- 大まかな目安として、FOP単価6~10円くらいを目指すのがおすすめ
基本的には距離を稼ぐために沖縄を絡めるのが鉄板ですが、JALの場合は沖縄 ↔ 札幌の直行便がありません。
ANAと異なり大阪や東京で乗り換えることとなるため沖縄 ↔ 札幌はFOP単価が良くないので要注意です。
JALの場合、クラスJの更に上の座席クラスとしてファーストクラスの設定もありますが、FOP単価が劣るのでこちらでは紹介を省きました。
ファーストクラスは得られるFOPは多く、ファーストクラスラウンジやダイヤモンド・プレミアラウンジの利用も可能なので、ちょっと高くついても快適に修行したい方は検討してみると良いでしょう。
回数修行を目指す場合
回数修行の条件は以下のとおりです。
- 50回以上搭乗かつ15,000FOP(うち25回はJALグループ便)を達成
回数修行の場合、重要なのは搭乗回数です。
そのためFOP修行とは反対に近距離を往復、または周遊する形になります。
効率よくこなしたい方は、JAL公式のホッピングツアーを利用してみるのも良いかもしれません。10~14フライトを一気にこなすことができます。
FOP修行と異なり、基本的にはFOP単価を気にしなくて良いのですが注意点があります。
- 回数修行の場合、50回の搭乗回数に加えて15,000FOP達成しなければならない
- 安い運賃で近距離ばかり飛んでいると、回数を達成してもFOPがショートする可能性がある
事前に最低限の15,000FOPを達成できるかシミュレーションし、場合によっては長距離路線も組み込むなどしましょう。
最後に
JGCカードはチェックイン時の優先専用カウンター、優先搭乗、受取手荷物の優先、ラウンジの利用など、飛行機をよく利用する方にとっては魅力的な特典が満載です。
それなりの費用と労力がかかりますが、JAL以外のワンワールド便を利用する際にも特典を享受できるので、持っておくと何かと便利です。
尚、JALカード会員はその年の初フライトで5,000FOPがもらえるキャンペーンが行われています。
参加登録が必要なので公式サイトをチェックしてみてください。
こちらはJALグループ便としてカウントされるので、FOP修行・回数修行ともに大いに活用できますね。忘れずに参加登録しておきましょう。
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