旅程の変更やキャンセルはコロナ禍だけでなく、急な体調不良や思わぬトラブルなど様々な要因で起こりえます。
そんな中で最も悩ましいのが航空券。
緊急事態宣言中はANA・JALともにキャンセルや変更に特別対応措置が取られていましたが、現在では通常通りの対応に戻っているため、キャンセルの際には比較的高い手数料がかかってしまいます。
そんな中、比較的使いやすいのがブリティッシュ・エアウェイズ(BA)のAviosを活用した特典航空券。
従来は非常にお得に特典航空券が発券できていましたが、現在ではそこまでのお得感はありません。ただ使いやすさは非常に良いので、私は今後もメインで活用する予定です。
BAのAviosの活用方法と今後の使い方についてまとめてみました。
ブリティッシュ・エアウェイズ(BA)について
JALの国内線特典航空券を発券する際、JALのマイルを使って発券している方が多いかと思います。
が、JALと同じくワンワールドに所属する航空会社のマイルを使うことでもJALの特典航空券を発券することができます。
使い勝手がよく人気だったのがブリティッシュ・エアウェイズ(BA)。
ワンワールドに加盟しているイギリスの航空会社です。
姉妹会社としてスペインの航空会社「イベリア航空(IB)」があり、「Avios」という共通のマイレージプログラムがあります。イベリア航空のAviosはブリティッシュ・エアウェイズのAviosと相互に移行することができます。
簡単に言うと、JALのマイルに相当するのがBAやIBのAviosということですね。
- ブリティッシュ・エアウェイズ(BA)とイベリア航空(IB)に共通のマイレージプログラムは「Avios」と呼ばれている
- BAのAviosとIBのAviosは相互に移行できる
- Aviosを使ってJALの特典航空券を発券できる
いくつかの点でJALのマイルと比べて使い勝手が良い点もありますので、ご紹介していきます。
Aviosは有効期限を伸ばすことができる
Aviosの有効期限は36ヶ月間ですが、その間に獲得、使用、購入または譲渡すればそこから更に36ヶ月間となるため、有効期限を伸ばすことができます。
- JALマイルの有効期限は36ヶ月。基本的に伸ばすことができない
- Aviosの有効期限も36ヶ月だが、変動があればその時点から36ヶ月間となるため、有効期限を伸ばすことができる
つまり定期的にAviosの変動があれば期限を実質無期限にできるというわけです。
JALの場合は36ヶ月経過すると、取得年月の古いマイルから自動的に消えてしまいます。
COVID-19の影響で期限を延長できるキャンペーンなども開催されることもありますが、あくまで一時的な特別対応です。
国内線はキャンセルの際にAviosが戻ってくる
個人的に一番便利だと思うのが、Aviosを使った発券の場合はキャンセル時にAviosが全て戻ってくることです。
- JALの場合、通常はキャンセル時に取消手数料として3,000マイルが徴収されてしまう(6月30日までの便は払戻手数料440円のみでキャンセル可能)
- BAのAviosの場合、出発24時間以上前のキャンセル時には手数料なし(※ただし特典航空券発券時に支払った空港使用料や諸税は返還されない)
- 期間限定でバウチャーへの交換もでき、この場合は空港使用料や諸税もバウチャーに含まれたまま次回に持ち越すことができる
キャンセル時に徴収されるものはありませんが、発券時に250円~500円程度の空港使用料や諸税を支払う必要があり、こちらは返ってきません。逆に言えば数百円の手数料でキャンセルができるので、予約がしやすいです。
JALはキャンセル料として3,000マイルも徴収されてしまうので、BAのAviosのほうが「とりあえず」の感覚で予約しやすいかと思います。
BA特典航空券のキャンセルとバウチャーについては以下の記事でまとめています。
ブラックアウト期間がなく、誰にでも発券できる
ANAマイルはブラックアウト期間(特典航空券を利用できない期間)があり、お盆や年末年始などの超ハイシーズンには特典航空券を発券することができません。
JALマイルはブラックアウト期間(特典航空券を利用できない期間)がないため使い勝手は良いのですが、自分と登録している親族にしか特典航空券を発券することができません。
一方Aviosはブラックアウト期間がないのに加え、第三者の誰にでも特典航空券を発券することができます。
面倒な事前登録などの必要なく、友人や親戚などにも気軽に発券できるので便利です。
【重要】必要Avios数の変更について(2021年7月22日)
従来、BAは少ないAviosで特典航空券を発券できるのが最大のメリットでしたが、2019年5月に改悪され、そして2021年7月に再度改悪となってしまいました。
こちらは普通席(エコノミークラス)の特典航空券発券に必要なAvios数です。
区間マイル数 | 片道分の必要Avios(旧) | 片道分の必要Avios(新) |
1~650 | 6,000 | 7,500 |
651~1,150 | 9,000 | 10,000 |
1,150~2,000 | 11,000 | 11,000 |
利用価値の高かったほとんどの路線で必要Avios数が増加してしまいました。
尚、JALマイルを使った特典航空券の必要マイル数は以下のように規定されています。
区間 | 必要マイル数(片道) |
A区間 | 6,000 |
B区間 | 7,500 |
C区間 | 10,000 |
結論として、国内線の特典航空券を発行する際に必要なAvios数の面ではBAの優位性はなくなりました。
こちらは従来、改悪前にはお得だった路線の一例です。
区間の例 | JALマイル | Avios |
羽田-札幌 | 7,500 | |
羽田-函館 | 7,500 | |
羽田-広島 | 7,500 | |
羽田-福岡 | 7,500 | |
羽田-鹿児島 | 7,500 | |
伊丹-函館 | 7,500 | |
伊丹-長崎 | 7,500 | |
伊丹-奄美大島 | 7,500 | |
関空-石垣 | 10,000 |
- 短距離路線(650マイル以下)については必要Avios数はJALマイルと同等
- 651マイル以上の路線については必要Avios数はJALマイルより増加
必要Avios数の面でのメリットはなくなりました…。
ただ先述したように下記の点ではJALマイルよりも使い勝手の良さは残っています。
- 有効期限が延長できる
- 誰にでも発券できる
- キャンセルしやすい
Aviosを貯める方法
Aviosを貯める方法は複数ありますが、効率が良いのは以下の2つです。
- イベリア航空(IB)のAviosセールで購入する
- SPGアメックスカードのポイントから移行する
IBのAviosセールは不定期に行われていますが、2021年7月以降行われていません。
また、agodaやKaligoといったOTAからホテルを予約する際の特典としてAviosを選ぶことで貯める方法もあるのですが、元のホテル代が高くなるケースが多いので注意が必要です。
このブログでも何度か取り上げているSPGアメックスカードについては、紹介による入会が通常入会に比べてお得です。
現在、紹介だと最大80,000ポイントが獲得でき、マリオット系列の最高級ランクのホテルに無料で宿泊できるチャンスです。12月7日を過ぎると紹介でも36,000ポイントに下がってしまうので、興味のある方はお気軽にご連絡ください。
Aviosを使った予約方法(PC)
PCの場合、公式サイトより「予約」→「Aviosを使ってフライトを予約」へ進みます。
「Aviosを使って予約」欄の出発地、目的地、出発日、クラス、搭乗者を記入します。
空きがあれば候補の便が表示されるので、目的の時間の便を選択します。
必要Avios数と諸税を確認し、問題なければ進んでゆきます。
Aviosを使った予約方法(スマートフォン)
アプリへログインし、メニューバーから「Reward flights」へ進みます。
画面が切り替わったら「Standard Avios Search」へ進みます。
出発地、目的地、出発日、クラス、搭乗者を記入します。
記入したら「Get flights」へ進みます。
候補の便が表示されるので、目的の時間の便を選択します。
必要Avios数と諸税を確認し、問題なければ進んでゆきます。
最後に
BAのAviosは、従来はJALマイルよりもかなり早い時期に国内線特典航空券が発券できたり、少ないAvios数で発券できたりといったメリットがありましたが、現在ではこのあたりの使い勝手はほぼ同じになってしまいました。
国際線も従来はヨーロッパの短距離路線はライト運賃(預け荷物や座席指定が含まれない)に比べてお得でしたが、必要Avios数が大幅に増加になっている便もあり、優位性はほとんどなくなってしまいました…。
が、Aviosは時々セールで安く購入できることと、キャンセル時の敷居が低く予約しやすいのがメリットだと思います。
尚、Aviosのセールについては注意点があります。
- BAによるAviosセールは単価が高く、あまりお得ではない
- イベリア航空によるAviosセールは単価が安く、お得
そのため基本的にはイベリア航空のAviosセールで購入し、BAのアカウントへ移行するのが良いと思います。セールが開催されたらまた記事で取り上げたいと思います。
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