旅行好きならきっと一度は耳にしたことのあるスーパーフライヤーズカード(SFC)。
ものすごく簡単に言うと「ANAの上級会員資格を維持できるクレジットカード」です。
取得するためにはそれなりのお金と労力が必要ですが、これがあると飛行機に乗る時の快適さが格段に上がります。
私も2017年にSFC修行して取得しました!取得してから約4年になりますが、やはり持っていてよかったと思うシチュエーションは多いです。メリットや取得方法について紹介したいと思います。
ANAの上級会員(プレミアムメンバー)ステイタスについて
ANAでは有償で航空券を購入し、搭乗することで2種類のポイントが貯まります。
一つはマイル、もう一つがプレミアムポイント(PP)です。
- マイルは貯めることで特典航空券や特定の商品に交換することができる。期限は3年
- プレミアムポイント(PP)は上級会員の資格を取得するための点数。期限は1年
つまり飛行機にたくさん乗ってプレミアムポイント(PP)をたくさん貯めることで、上級会員のサービスを受けられるようになるわけですね。
ANAの場合、上級会員資格(プレミアムメンバー)のステイタスは3種類あります。
ステイタス種別 | 必要PP | 備考 |
ダイヤモンド | 100,000 | スターアライアンスゴールド |
プラチナ | 50,000 | スターアライアンスゴールド |
ブロンズ | 30,000 | スターアライアンスシルバー |
尚、プレミアムポイント(PP)はANA以外のスターアライアンス便に乗ることでも貯まりますが、ステイタス獲得のためには半分はANA便を利用する必要があります。
それぞれのステイタス毎の詳しい説明は公式サイトにお任せするとして、主なメリットはこんな感じです。
ブロンズ | プラチナ | ダイヤモンド | |
ANA LOUNGE利用 | ○ | ○ | |
ANA SUITE LOUNGE利用 | ○ | ||
優先チェックインカウンター | △(国際線のみ) | ○ | ◎ |
専用保安検査場の利用 | ○ | ◎ | |
優先搭乗 | ○ | ◎ | |
手荷物受取の優先 | ○ | ◎ | |
手荷物許容量の優待 | △(国際線のみ) | ○ | ○ |
国内線の先行予約 | ○ | ○ | ○ |
アップグレードポイント付与 | ○ | ○ | ○ |
マイル有効期限の延長 | ○ |
- プラチナステイタス以上で優先搭乗や手荷物受取の優先、ラウンジの利用などのサービスを受けられる
- ダイヤモンドステイタスでは搭乗や手荷物受取の最優先、上級ラウンジの利用などのサービスを受けられる
- プラチナおよびダイヤモンドは「スターアライアンスゴールド」なので、ANA以外のスターアライアンス便を利用する際にも同様のサービスを受けられる
2017年当時の私は食いしん坊だったので、まずラウンジのご飯に憧れたんですよね…。
国際線だとこんな感じのラウンジを上級会員は無料で使えちゃうんです。
またANA便以外のスターアライアンス便を利用した時にも、ラウンジを利用することができます。
こちらはブリュッセル航空を利用したときのラウンジ「The Loft」の様子です。
エコノミークラスを利用したときでも無料で入室できて、食べ放題&飲み放題です。機内食もあるので実際にはそんなに食べれませんが…(笑)。乗り継ぎ時間が長い時などはありがたいですね。
スーパーフライヤーズカード(SFC)とは?
上述したプラチナ、ダイヤモンドのメリットを受けられるのは基本的には1年間(事前サービスを入れると2年弱)です。
つまり上級会員としてのサービスを受け続けるためには、継続して飛行機に乗り続ける必要がありますが、裏技的な手段で永久にプラチナステイタス並みのサービスを受け続けられる方法があります。
それが「スーパーフライヤーズカード(通称SFC)」の発行です。
- プラチナステイタス(=50,000PP)以上に到達した人は「スーパーフライヤーズカード(SFC)」を申し込むことができる
- スーパーフライヤーズカード(SFC)を取得後は、年会費を支払いさえすればプラチナステイタス並みのサービスが常に受けられる
- 家族カードを発行すれば、家族もプラチナステイタス並みのサービスが常に受けられる
SFCの嬉しいところは、家族カードを発行できることです。
私は妻に家族カードを発行したので、妻も単独で飛行機に乗る際に上級会員としての待遇を受けています。
- プレミアムポイント(PP)の有効期限は1月1日~12月31日までの1年間
- この間に飛行機にたくさん乗って、プラチナステイタス(=50,000PP)以上に到達した人だけが、スーパーフライヤーズカード(SFC)を申し込むことができる
普段から仕事などでよく飛行機に乗る人は良いのですが、そうでない人はちょっと無理して飛行機に乗りまくることになります。
そのためスーパーフライヤーズカード(SFC)を取得するために飛行機に乗りまくることを、「SFC修行」と言います。
SFC修行を行う際の注意点
SFC修行を行う前に絶対やっておくべきことが「特定のANAカードの発行」です。
- SFCはクレジットカードなので、発行する際に審査がある
- 特定のANAカードを事前に発行しておけば、プラチナ到達後に切替申請ができる
- 切替申請の場合は審査がない
プラチナステイタス到達後にSFCを発行しようとして万が一、審査落ちしてしまったら…今まで注ぎ込んだお金も労力も水の泡です。目も当てられません。
事前にSFCへ切替可能なANAカードを発行しておき、プラチナステイタス到達後に切り替え申請を行いましょう。
事前に発行すべきANAカード
じゃぁどのカードを発行しておけば良いのか?という話ですが…SFCに切り替え可能なカードは限られています。
年会費が最も安いのはANA一般カードですが、こちらは残念ながらSFCへ切り替えはできません。
SFCへ切替可能なカード一覧がこちらです。
カード名 | 年会費(本人) | 年会費(家族) |
ANAワイドカード(VISA・Master・JCB) | 7,975円(税込) | 1,650円(税込み) |
ANAワイドゴールドカード(VISA・Master・JCB) | 15,400円(税込) | 4,450円(税込み) |
ANAダイナースカード | 29,700円(税込) | 6,600円(税込) |
ANAアメリカン・エキスプレス・ゴールド・カード | 34,100円(税込) | 17,050円(税込) |
ANA JCB カード プレミアム | 77,000円(税込) | 4,400円(税込) |
ANA VISAプラチナ プレミアムカード | 88,000円(税込) | 4,400円(税込) |
ANAアメリカン・エキスプレス・プレミアム・カード | 165,000円(税込) | 無料(4枚まで) |
ANAダイナースプレミアムカード | 170,500円(税込) | 無料 |
切り替え後は年会費がちょっと上がることが多いです。SFCの年会費がこちらです。
カード名 | 年会費(本人) | 年会費(家族) |
ANAスーパーフライヤーズカード(VISA・Master・JCB) | 11,275円(税込) | 5,610円(税込) |
ANAスーパーフライヤーズ ゴールドカード(VISA・Master・JCB) | 16,500円(税込) | 8,250円(税込) |
ANAダイナース スーパーフライヤーズカード | 30,800円(税込) | 11,550円(税込) |
ANAアメリカン・エキスプレス・スーパーフライヤーズ・ゴールド・カード | 34,100円(税込) | 17,050円(税込) |
ANA JCBスーパーフライヤーズカード プレミアム | 77,000円(税込) | 4,400円(税込) |
ANA VISAプラチナ スーパーフライヤーズ プレミアムカード | 88,000円(税込) | 4,400円(税込) |
ANAアメリカン・エキスプレス・スーパーフライヤーズ・プレミアム・カード | 165,000円(税込) | 無料(4枚まで) |
ANAダイナーススーパーフライヤーズ プレミアムカード | 170,500円(税込) | 無料 |
個人的におすすめなのは「ANAワイドゴールドカード(VISA・Master・JCB)」→「ANAスーパーフライヤーズ ゴールドカード(VISA・Master・JCB)」に切り替えることです。
理由はいくつかありますので、簡単にご紹介します。
ANAワイドカードよりもゴールドカードの方がお得?
ワイドカードとゴールドカードをSFCに切り替えた後の年会費を比較してみましょう。
カード名 | 年会費(本人) | 年会費(家族) |
ANAスーパーフライヤーズカード(VISA・Master・JCB) | 11,275円(税込) | 5,610円(税込) |
ANAスーパーフライヤーズ ゴールドカード(VISA・Master・JCB) | 16,500円(税込) | 8,250円(税込) |
これだけ見るとSFC一般カードの方が年会費が安いのですが、大事な注意点があります。
それはSFC一般カードは良いレートでポイントをANAマイルに交換するためには手数料がかかることです。
- 1ポイント→1マイルに交換する通常コースと、1ポイント→2マイルに交換する2倍コースがある
- ワイドカードは2倍コースで交換する場合、移行手数料として6,600円(年度/税込)かかる
- ゴールドカードは自動で2倍コースとして設定されており、移行手数料不要
もし2倍コースでANAマイルへ交換することを考えた場合、スーパーフライヤーズ一般カードは6,600円(税込)の手数料がかかるのに対しゴールドカードは無料です。
実質的な差額は小さくなりますし、付帯保険もゴールドカードは充実しているので可能であればゴールドカードを申し込んでおきましょう。
年会費を割引にする方法がある
一見高く見えるゴールドカードの年会費ですが、実は年会費を割引にする方法があります。
- VISA・Masterの場合、「マイ・ペイすリボ」登録&手数料発生+Web明細で年会費を割引できる
- JCBの場合、「スマリボ」登録&手数料発生で年会費を割引できる
割引を適用した後の年会費がこちらです。
カード名 | 年会費(本人) | 年会費(家族) |
ANAスーパーフライヤーズカード(VISA・Master) | 10,202円(税込) | 5,032円(税込) |
ANAスーパーフライヤーズカード(JCB) | 9,900円(税込) | 5,610円(税込) |
ANAスーパーフライヤーズ ゴールドカード(VISA・Master) | 11,550円(税込) | 6,600円(税込) |
ANAスーパーフライヤーズ ゴールドカード(JCB) | 11,550円(税込) | 8,250円(税込) |
ご覧のようにほとんど差がなくなってしまいました。
尚、三井住友カードが発行するVISA・Masterは家族カードの年会費割引がありますが、JCBは家族カードの割引がありません。
ただ、旅行関連の保険はJCBカードのほうが充実しているので、この辺りは好みで選ぶのが良いかと思います。
ゴールドカードはカードラウンジが使える
ANA便やスターアライアンス便を利用する際にはANAラウンジ、またはスターアライアンス便のラウンジが使えるのですが、他社便やLCCを利用する際には航空会社のラウンジが使えません。
ただし、ゴールドカードを持っていれば、カードラウンジを使うことができます。
カードラウンジは基本的には保安検査を受ける手前にあることが多いのですが、空港によっては保安検査後の制限エリアに設置されていることもあります。時間が空いた時に無料のドリンクを飲みながらくつろげるので、持っておくと意外と便利です。
おすすめの路線など
従来は国際線を利用する方法もありましたが、現在はコロナの影響で厳しくなってしまったので、国内線を利用するしかありません。
考え方としては「できるだけ少ない費用で多くのPPを稼げる」路線が良いので、おすすめ路線はこんな感じです。
路線 | 125%PP(運賃2) | 75%PP(運賃7) |
羽田 ⇔ 沖縄 | 2,860 | 1,476 |
札幌 ⇔ 沖縄 | 3,892 | 2,095 |
大阪 ⇔ 沖縄 | 2,247 | 1,108 |
大阪 ⇔ 札幌 | 2,065 | 999 |
羽田 ⇔ オホーツク紋別 | 1,957 | 934 |
- 1PP稼ぐのに費用がどれくらいかかるのか、という意味で1PP当たりの単価を「PP単価」と呼ぶ
- プラチナステイタスに到達するまでに50,000PP必要
- 一般的な費用の目安としては30~50万円くらい
運賃は比較的コスパの良いANA SUPER VALUE PREMIUM 28またはプレミアム株主優待割引運賃(運賃2)、ANA SUPER VALUE 75(運賃7)を想定して算出しています。
効率面から言うと、基本的には距離を稼ぐために沖縄を絡めるのが鉄板です。もちろん、宮古島や石垣島を目的地にしても良いですし、最近ではオホーツク紋別に日帰りで行く「紋別タッチ」も人気です。
単純往復だと飽きる場合には「羽田 → 沖縄 → 札幌 → 羽田」のように周遊しても良いですし、この間で「沖縄 ↔ 札幌」を複数回繰り返すのもアリです。
ものすごく簡単に言うと、とにかく遠いところを目的地にして、料金が安い時期に予約するのがおすすめです。
料金は時期によって変わりますので、できるだけ安く抑えるに越したことはありません。
PP単価6~10円が一つの目安となりますが、これより安く抑えることもできますので、セールやキャンペーンは常にチェックしておきましょう。
最後に
SFC修行からの4年間を振り返ってみると、取得後の便利さを実感するのはもちろんですが、修行が楽しかったのがすごく印象に残っています。
当時は国際線ビジネスクラスで東南アジア往復+沖縄往復も人気でしたが…早くまた海外に行けるようになってほしいですね。
SFC修行を行うのはおそらく一生に一度かと思いますので、事前の計画と準備を行った上でしっかり楽しみながら行いましょう!
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